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「来栖かがり」の検索結果
10件の作品が見つかりました
掛値を言い立てられた茶の仲買ですが、相場帳を書きつづけたら、茶問屋の当代が日ごとに買い付けの控えを並べてくださいます
四十二両を着せられた紙漉きですが、判取帳の残りの列を数えたら、橘屋の当主が十年、年に一度ずつ私の行を空けてくださいます
甕を潰したと読み上げられた型付けですが、夜に型を彫りつづけたら、同じ日に入った男が六十晩つづけて当番表を照らしてくれます
毒を盛ったと名指しされた渡り医者ですが、脈帳を縦に読み直したら、村の産婆が写しを抱えて来るたび上がりこんでしまわれます
火付けと呼ばれた日傭取りですが、その名で置き場の火の番になったら、材木問屋の若旦那が木戸の閉まる四つに送ってくださいます
亡き師の手本を偽ったと申し立てられた手習師匠ですが、十二年分の手習い帳を数えたら、破門した弟子が月に二度は寄ってくれます
身代横領で訴えられた声の出ない帳前ですが、書付の順を組みつづけたら、公事宿の書役が二月ほど毎日私の紙を綴じてくださいます
贋物の猿を彫ったと名を出された下働きですが、たがねの摩耗痕を数えたら、親方が二十日毎朝、目録に名を書き足してくださいます
盗みで鑑札を取り上げられた介抱人ですが、控え帳をつけつづけたら、寝たきりの船大工が毎晩十六文だけ置いていってくれます
口書を偽ったと白洲に座らされた吟味方ですが、帳を一日ぶんずつ繰ったら、馬喰町の女将が三日にいっぺん膳を出してくださいます