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「雪村すばる」の検索結果
10件の作品が見つかりました
盤側から一段下げられた記録係ですが、肘の開きで指し手を読みつづけたら、車椅子の棋士が対局のたび板の礼を言ってくれます
素性が知れないと否まれた面打ちですが、無銘のまま面裏をくりつづけたら、宗方の若宗匠が三日に一度途中だけを見に来てくれます
家を捨てたと言われた紙の整理屋ですが、蔵の二百箱を目録に起こしたら、分家の当主が列車の遅れる日は駅まで迎えに来てくれます
免許の届けが通らなかった直し屋ですが、共布で値をつけたら、古着屋の主人が雨の日も晴れの日も筵を下ろしておいてくれます
登録の紙を返した手話講座の補助ですが、名前の出ない席で読み取りつづけたら、先生が五年間ずっと私の手の形を直してくれます
道具を半分売った氷菓子屋ですが、氷の目に爪を半寸ずらしたら、向かいの氷菓子屋が旗を出す日だけは必ず同じ日を選んでくれます
三つの仕事を離された男の産婆ですが、帳面をつけつづけたら、渡りのお医者が毎晩、囲炉裏から半歩遠いところに座っていきます
逆さまの噂を貼られた薬師ですが、緩和病棟で薬包を折りつづけたら、主治医が毎朝七時四十分に薬事の棚を開けてくれます
許しも取らずに綱を切った隊列長ですが、荷は捨てないと決めたら、隊商主が六年のあいだ一度も私の並べ方に口を出しません
毒香と呼ばれて道具を取り上げられた調香師ですが、嗅ぎ紙を引きつづけたら、裁定官が昼の鐘のあとに必ずこの角を曲がってきます