📚 作品ラインナップ (全2巻) 最終更新:2026/04/09
花もいけられていない母の部屋からは、どういうわけか気怠く甘い花の匂いがした。――ミュンデロット公爵家の娘、マリスフルーレの母が死んだ。その日からマリスフルーレの生活は一変してしまった。父が愛人とその娘を連れて帰ってきたのだ。優しい使用人たちは追い出され、マリスフルーレも屋根裏部屋に追いやられた。母の残した公爵家を守らなくてはいけないという思いもむなしく、マリスフルーレは虐げられる日々を送ることになる。母と仲が良かった王妃の計らいで第二王子メルヴィルとの縁談が決まるものの、悪辣な腹違いの妹クラーラの策略によりマリスフルーレは窮地に立たされてしまう。そこに救いの手を差し伸べたのは、敵兵の首をはねてその血を飲んでいる吸血伯と噂されている、辺境伯ルカ・ゼスティアだった。ルカは噂とは違いほがらかで優しい人で、マリスフルーレをとても大切にしてくれた。彼のおかげでマリスフルーレは失っていた強さをとりもどしていくが、ルカには何か秘密があるようで──。
マリスフルーレは、辺境の地でルカや鈴音や楼蘭と穏やかな生活を送って行く中で、腹違いの妹であるクラーラから罠に嵌められ、婚約者の第二王子メルヴィルとの婚儀の日に襲われそうになったことによって負った心の傷が少しずつ癒えていた。ある日、新国王ルネスから手紙が届き、ルカは一人王都に出立した。残された辺境の地で過ごしていたマリスフルーレは、ルカに対しての想いはっきりと自覚をする。そんなある日、マリスフルーレが攫われた。犯人は、マリスフルーレの悪評を信じ、マリスフルーレがいなくなればルカが自分のものになると信じていたエミリアだった。王都から戻りマリスフルーレを救ったルカは、吸血伯と呼ばれている本性を露わにエミリアを追い詰める。ルカの秘密に近づくことができたマリスフルーレは……。その後、前王妃のロゼッタが療養のため、ルネスと共にゼスティア家にやってきた。マリスフルーレの母の死の真相が、はじめて明らかになる──。