📚 作品ラインナップ (全2巻) 最終更新:2026/06/15
ハキダメとは、スラム化したかつての中心地域を指す俗称であり、そのスラムを根城にする犯罪組織のことでもある。 公安保安庁特別捜査局・組織犯罪対策課の曳島梛は、勤続10年目の28歳。ハキダメを解体すべく結成された第5特別捜査チーム所属の捜査官だ。肉体増強カスタムが当然の特捜内において、メタアレルギーの梛は唯一全身生身でありながらも、トレーニングによってトップクラスの強さを身につけた、筋金入りの努力家(バカ)でもある。 そんな梛には忘れられない男がいる。5年前の作戦でわずかな言葉を交わした正体不明の男。その男の言葉が梛の拠り所だった。作戦が本格化し、自らの存在意義に迷った梛は、情報通だという贋作屋に会いに行く。万木と名乗る贋作屋は飄々として苛立つ存在で……。だが、その言葉の端々がなぜか梛の心をざわつかせた――。
万木への想いを封じ、特捜に復帰した梛の心中は、漠然とした正義感から、確かな覚悟へと変化していた。そんななかで梛は、上層部への提言を頼むのと引き換えに、穂積からの告白を受けてしまう。このころ、世界各国で後天的なメタアレルギー患者が急増し、生身への回帰が叫ばれるようになっていた。全身生身の人間はその希少価値から、臓器売買の魔の手に晒されることになる。生身の美しさを歌う謎の歌姫リリ。ハキダメと大陸からのブローカー。そして、万木との再会――。一世一代のはったりを演じる梛は、弱点だった生身を武器にハキダメへと乗り込んだ。